普通じゃなくていいんじゃない?

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zoom RSS 新・奇怪な世界

<<   作成日時 : 2016/02/25 20:28   >>

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 突然、それまでの狭い暗闇に亀裂が入り、光が差し込んだ。あまりのまぶしさに何も見ることができない。私は恐怖のあまり泣き叫んだが、周囲の人々は声を出して笑った。

 口に柔らかな突起物を差し込まれ、粘性のある液体が注ぎ込まれる。不思議と嫌な感じはしない。それは誰かに強制された? いや、私が望んだことだ。
 力ずくで下着をはぎ取られ、下半身をむき出しにされる。すぐに次の紙切れがあてがわれるが、自分で着る服さえ選ぶ権利は与えられていない。羞恥。今の私には、あまりに高貴な感情だ。
 日に何度も襲い来る睡魔に抗うことができない。メリーゴーランドのように音楽に合わせて回る動物たちを見ていると、気付かぬ間に意識が深淵へと沈んでいく。日がな一日、何も生産しない私は怠惰だろうか。
 目の前に、身長の何倍もある巨大な扉がそびえ立っている。その先には未知の世界が広がっているのだろうか。わずかに開いた隙間に手を掛けた瞬間、血相を変えた女性が私を引き離す。それは愛情ゆえにか。いくら叫んでも、先へ進むことは許されない。
 欲しいものはあるが、言葉にできない。声を荒げ、固く握った拳を振り上げる。それは時に人を傷付け、あるいは傷付けられ、痛みを学ぶ。私のやり方は、暴力的に過ぎるだろうか。
 私が何かするのを見れば、人は必ず反応する。時に微笑み、時に怒り、涙はあまり見かけない。彼らから好意を引き出すには、多少の演技も必要だ。しかし、ムービー・スターじゃあるまいし、少し静かに暮らしたい。

 〈私が誰か、想像できる?〉

 私は生まれて間もない赤子。少しばかり前世の記憶はあるが、それもすぐに消え去る。きっと明日の今頃には、凡百の赤子と変わらぬ無知な存在に戻っているのだろう。さよなら私。来世までご機嫌よう…。

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